暮らしに生かす韓方茶 |
9月に受けた漢方店の講習会と同じ、韓国の李先生のセミナーです。
9月の講座のときは、
漢方理論と韓国の健康観について学びましたが、
本日は「カラダと心を癒す韓方(はんばん)茶」。
韓国のティーセラピーについてでした。
日本の御茶は、
葉っぱを摘んで、蒸して、発酵させて・・・
色々なお茶がありますが材料は茶葉。
緑茶が代表的な御茶です。
韓国にも緑茶が飲まれていた時代がありましたが、
いま、韓国で御茶と言う時、
それは、野草であったり、花であったり、
実であったり、根であったり、枝であったり・・・
それらを煎じていただくタイプの御茶は、
心と体を癒しながら風味も楽しむ。
実にバリエーション豊かです。
このように、
韓国の御茶の定義は、
日本の御茶と大きく異なります。
・・・とはいえ、
日本にも、
昔は、民間のハーブを使った御茶、あったのですよね。
ただ、それが、良薬口に苦し。
美味しくなくて・・・(笑)
伝承されずに今に至るんですね。
静かに消えていったという感じでしょうか。
韓国では、
薬として用い、料理に使い、お茶にして飲み、
今でも、食と韓医学の両輪で生活文化に貢献しています。
時代を超えて伝えられてきたんですね。
歴史ドラマの中でよく見るのが、
道端のヨモギを摘んで傷口に当てる場面。
ヨモギには止血の働きがあるからですね。
お料理にも、たくさんの薬材が使われています。
有名なのは、
体力が落ちる夏の土用の日に食べる参鶏湯(サムゲタン)。
高麗人参やナツメ、栗、銀杏、もち米に加え、
ニンニクや緑豆、オウギ、ハリギリなどを用いて煮込み、
そのスープをいただきます。
今では日本人もよく知ってるお料理。
韓国で認可されていても、
日本では使えない薬材がたくさんあります。
韓国と日本では薬事法が異なるからですが、
こうした点をふまえて、きょうは、
日本でも作れる御茶を教えていただきました。
その中から、
ここではふたつの御茶をご紹介。
ひとつがミカン茶。
果肉ではなく皮を使います。
漢方でいうところの陳皮(ちんぴ)。
有機栽培のものが望ましいですが、
国内産のものなら安心ね。
先ず、皮を細切りにして天日干し。
十分に乾燥させて出来上がり。(^-^) 超簡単!
ただ、水分が多いので、カビないように気をつけて。
乾燥させればさせるほど風味が増して美味しいとか。
もうひとつは大根茶。
作り方は、
1~2mm厚さの短冊切りにして乾燥させ、
乾燥が終わったら、フライパンで乾煎り。
香ばしい香りが立って美味しいお茶になるそうですよ。
ミカン茶も大根茶も、その効能は「消化を助ける」!
同じ消化の働きをしてくれる御茶でも、
タイプによって効果が異なります。
ミカン茶は、
痩せタイプの人の消化を助けてくれる。
大根茶は、
ちょっと太めの方向き。
お腹の中にガスが溜まってる人や、体格の良い人にも。
大根茶は、また、
痰(タン)を取り除いてくれる。
この場合の痰とは、 "濁り" という意味。
喉のタンだけでなく、胃の中の滞りをも意味しているそうです。
そうか~、
じゃ、さっそく大根茶を作ろう~♪(笑)
このところ、ちょっと食べ過ぎだからね。(^_−)−☆
李先生の御言葉ですが、
お茶を飲むことは、自分を理解すること。
自分を理解するとは、自分を癒すこと。
自分を癒すことは、自分の気分を感じること。
日本語にすると、
ちょっと解釈に時間を要しそうな言葉ですが、
提唱されているのは「韓方ティーセラピーで未病に備えましょう~♪」ということ。
セミナーの最後に、
アカデミーが用意した〈4つの体質〉の表を使い、
自分のタイプを自己診断。その結果に応じたお茶をいただきました。
韓国政府が支援する
こうしたイベントに参加するたびに感じるのですが、
本当にきめ細やかに運営されて気持ちいい。
いつも、参加してよかったと思わせてくれる。
「東医宝鑑」を編纂した心医ホ・ジュンの韓方医学の精神は、
今も、ちゃんと伝えられているんだなぁ~♪
ご参考までに・・・
⚫︎葉っぱを使って作る御茶には、
柿の葉、桑の実、蓮の葉などがあります。
御茶の作り方は、日本茶とほぼ同じ。
柿の葉は、若い葉っぱをつかいます。
⚫︎果物の実を使った御茶には、
梅、ゆず、かりん、レモン、生姜などがあります。
こちらは、果肉とお砂糖の重量比率1:1で、
砂糖漬けにして作ります。
⚫︎根菜を使って作る御茶には、
大根のほか、ごぼう、れんこん、生姜などがあります。
こちらの作り方も大根茶と同じ。
れんこんは、細身のものを使うといいようですよ。